2010年12月06日

【俺得】Indesignで小説本を作るためのガイドライン

(2012.10.7)自動縦中横設定について加筆
(2012.12.2)「テキストを準備する」項目の縦書エディタ各種について加筆。疑問符感嘆符→感嘆符疑問符に修正。あんまり意味は変わりませんが(笑)(?!→!?)

 Indesignは酷く値が張る買い物だったので、買った分はできる限り償却しようと頑張って使っている。今では小説本の編集に必要な作業は、一通りできるようになったんでないかと思われる。これはその作業手順を自分用の備忘録として纏めたものとなる。
 操作に習熟するためにIndesignの入門書を一冊買って一通り読んでおくと、より円滑に作業が進む、と思う。

注意点
 InDesignを使ってもすぐにあなたの小説本の部数が伸びるわけではありません。基本的な技術を身につけたいならInDesignの資金9万円で1万円強の一太郎と700円の小説100冊を買い、それらのプロットやテクニックやデザインを咀嚼する時間を手に入れた方がなんぼかましです。

※とりあえず「お前が言うな」的ツッコミは飲み込んでください。

InDesignの利点
・同じAdobeのソフトウェアなだけあってPDF出力に強い。ワープロソフトからPDF出力する際にありがちな「文字化けする」「挿絵画像を勝手に圧縮する」「フォントを埋め込んでくれない」などのトラブルが自分の経験上皆無。
・OpenTypeのフォントが使える。ヒラギノ、リュウミンなどの縦書き小説文で評価の高いOpenTypeフォントを用いても奇妙な行間アキができることがない。

InDesignによる編集を勧められる方
・PDF入稿のある印刷所を頻繁に使用する方。
・ワープロソフトとPhotoshopを同時に駆使してPDFを作成するのに疲れた方。
・最初から版型とページ数を厳密に定義してそれに沿った書き方をする、いわゆる「京極書き」をする方。

装丁を決める
 具体的には紙のサイズ、文字の大きさ、段組、行数、文字数などを決める。余白は必ず上下左右に1センチ以上空けること、行間は文字ポイント数の50%以上になること、字間は詰めることなどなどを前提に決める。
 基本的にサイズはA5、新書、文庫の3つ。新書サイズは印刷所によって異なるので注意。新書・文庫は市販のものを参考にすると楽。A5だとキルタイムコミュニケーション「小説同人誌製作マニュアル」にかなりサンプルがあるが、残念ながらこれは絶版である。

テキストを準備する
 何とかする。饅頭のアンコが不味いのは拙かろう。
 最初からエディタに流し込むことを前提にテキストを書くと、編集時にページ数の関係から加筆、削除をする必要がなくなって楽。このため行数、文字数、段組などを決められるテキストエディタがあるといい。
 WindowsならVertical Editor、Windows MobileならWZ Editor(があった。WM6までです)があるが、iOS(iPhone/iPad/iPod touch)アプリのiText Pad有料版が個人的にはかなりのお勧め。基本的なレイアウトの設定能力もさることながらEvernote/Dropboxとの連携機能があるのでIndesign環境へのテキスト移行がスムーズに行える。

挿し絵を準備する
 自分で描くか、イラストレーターに頭を下げるか。カラーはCYMKモードで350dpi、2値・グレイスケールは600dpiで作るのが通例。

合成フォント設定
 仮名、漢字で異なる書体を使いたい場合は合成フォントの設定を行っておく。「書式」→「合成フォント」で設定可。
 モリサワが販売しているリュウミン書体だと仮名文字だけ小さめの「小がなフォント」がある。

ドキュメントを作成する
 「ファイル」→「新規」→「ドキュメント」でサイズ、向きを決める。その後「レイアウトグリッド」を選んで行数、行間、文字ポイント数、標準フォント、段数、余白などを決める。
 Indesignでは後からこれらを変えようとすると酷く大変なので、最初に装丁を決めておくのがとても重要。
 なお断ち落としの設定はデフォルトの3ミリでいい。大半の印刷会社も同じ設定なので。

テキストを流し込む
 一ページ目に対してテキストグリッドツールを使い、最初に設定したテキストグリッドいっぱいのフレームを張り付け、まずはそこにテキストを張り付ける。
 はみ出しが発生するとフレームの左下に赤い「田」が現れるので矢印ツールでシングルクリック→次のページ、または次の段の始点にカーソルを合わせて、「シフトキーを押しながら」シングルクリックする。これで最終ページまで一気にテキストが張り付けられるはず。

本文スタイルを設定する
 段落スタイルの基本設定を本文用に設定しておく。段落スタイルダイアログの「基本段落」をダブルクリック。
・「基本文字形式」:フォント、文字ポイント数、字間、行間はテキストグリッドに合わせる。
・「自動縦中横設定」:「!?」などの記号を使う場合は縦中横設定を行う。「欧文も含める」にチェックを入れておくこと。
・「日本語文字組版」:禁則処理セット、禁則調整方式、ぶら下がり方法、文字組みなどを決める。基本禁則処理セットは「強い禁則」をコピーして、ぶら下がり文字に括弧などを追加して使う。禁則調整方式は「追い込み優先」、ぶら下がり方法は「強制」、文字組みは「約物全角」で。
 一緒に「見出し」「タイトル」も作っておく。これらは後で使う。

(捕捉)実は、感嘆符疑問符(!?)は文字コード化されている。比較的最近に制定された規格なので最近のOS、最近のアプリじゃないときちんと表示できない。iText Pad、Indesignではサポート済み。
 これを使う場合、自動縦中横設定は行わない。代わりに感嘆符疑問符がなぜか縦中横設定しないと横倒れになるので、一文字ずつ検索して設定しないと駄目っぽい。

査読用PDFを書き出す
 査読などを他人に依頼する場合はこの段階で一度「ファイル」→「書き出し」でPDFに書き出す。ここでは圧縮比率などに拘る必要がないので、プリセットは「PDF/X-1a:2001(日本)」を選んでおけばいい。

査読・校正
 一通り読んでみて、ぶら下がりにおかしいところがないか、その他誤字脱字、プロットの突っ込みどころなどを確認してみる。

ルビを振る
 文字ツールを選択後に文字ツールバーを選択→右側のツールボタンをクリック→「ルビ」→「ルビの位置と間隔」で設定可。「モノルビ」と「グループルビ」のどちらを使うかはルビの長さによる。グループルビで漢字1文字に対し3文字以上のルビを設定すると元の漢字の前後に間隔ができてしまうことがある。

ノンブルを振る
 マスターページにて設定する。ページダイアログを表示してAマスターをダブルクリック。
 ノンブルを配置したい個所にテキストフレームを作成して「書式」→「特殊文字の挿入」→「マーカー」→「現在のページ番号」を選択。
 ノンブルを振りたくないページがある場合は別のマスターページを作成して、ページダイアログで当該のページにドラッグすればいい。

章見出しやタイトルなどをノンブルの横に配置する
 「書式」→「テキスト変数」→「定義」を選び、「新規」ボタンを押す。名前には「見出し」「タイトル」などの文字列を入れて、種類「ランニングヘッド・柱(段落スタイル)」を選択する。スタイルにあらかじめ定義した段落スタイルを設定する。
 もう一度「書式」→「テキスト変数」→「変数を挿入」で追加したテイスト変数を挿入できるようになる。
 本文中に見出し、タイトルを挿入すれば、以降のページは全て見出し・タイトルがノンブルの横に出るようになる。

挿し絵を配置する
 「ファイル」→「配置」→張り付けるファイルを指定。文字が隠れる場合はレイヤーダイアログを表示して順序を調節する。

奥付を作成する
 最後のページにテキストフレームを張り付けてタイトル・発行日・著者・挿し絵作成者・HPアドレスや連絡先・印刷会社などを記入する。

目次を作る
 「レイアウト」→「目次」を選択する。目次テキスト及び目次見出しは出来合いのスタイルを選ぶと勝手に段落スタイルに追加してくれる。

PDFに書き出す
 全て終わったところで入稿用のPDFなどを作成する。今度はプリセットに「雑誌広告走稿用」を選べばフォント埋め込みや画像の解像度維持などは自動でやってくれる。

表紙・カバーを作成する
 印刷所によって表1と3が別々に必要なところ、表1、3の合体が必要なところがある。合体原稿の場合は背表紙も必要になるので印刷所のサイトで必要なサイズの計算方法などをよく確認しておくこと。
 カバーについては表紙に加えて折り返しも必要になる。表紙の絵柄が折り返しの方に2~3ミリはみ出すように作っておくと、折り返し部分が見えず安全。
 割と手っ取り早い合体表紙の作り方。
1.ドキュメントを新規作成して、幅:版型幅×2+背幅 縦:版型縦でサイズ指定。裁ち落とし幅も印刷所指定のサイズを選択しておく。
2.「マージン・段組」ボタンを押す。文字を横組み、段組みを2段にする。また段間隔に背幅の長さを指定する。これで段組みのグリッドが背表紙スナップ用のガイドの代わりになるので、普通にガイドを置くよりも楽。
3.あとはレイアウトのアイデアに沿って表紙用の画像、ロゴ文字などを配置する。左開きの一般的な本の場合、背表紙より左が表1、背表紙より右が表4となるのに注意。

入稿
 原稿が全て揃ったら、印刷所の指定した形式でデータを送付して終了。お疲れ様、しばしの休息の後に新たな原稿へ取りかかるのだ……
posted by FALSE at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 覚書 | 更新情報をチェックする
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