2005年11月18日

天才の着想

http://garavity66.exblog.jp/2287660

 タブロイド紙の紙面に、扇情的な見出しが躍っている。

 傷害容疑で逮捕された男の記事だ。

 新聞記事になるくらいだから、ただの傷害事件ではない。

 容疑者は、師弟関係にあった被害者の耳を食いちぎった。

 これだけでも充分に猟奇的だ。

 しかし、その動機にはさらに首を傾げたくなる。

「被害者の言いつけを破り、レッスンの前に林檎を食べた。

 するとレッスンが終わった後に、突然、被害者の耳に喰らいつきたくなった」

 俺は向かいに座っていた同僚に、事件のことを話してみた。

「果物を食べると、耳をかじりたくなる。

 そんなことがあり得るのかね?」

 同僚は、しばらく考え込んだ。

「そう言えば、腹こわしたときなんかは、林檎を食べるといいって言うよな。

 実際、林檎は食欲不振に効果があるんだって、聞いたことがある」

 俺は思わず、鼻で笑ってしまった。

「容疑者は林檎を食ったことで、食欲をそそられたってのか?

 その対象がなんで、耳でなきゃならん」

「俺に聞かれたって、知らんよ。

 犯人はなにか、耳に執着があったとかじゃないのかね?」

 俺は考える。

 では、容疑者はなんで、被害者の耳を食いたいと思ったのか?

 容疑者は、音楽関係者だという。

 聞かされた音楽の音階を完全に聞き分ける、絶対音感という能力の持ち主だ。

 実は、絶対音感とは特定の人に備わった素質ではない。

 幼少期に音楽を学ぶことによって、自然と身につく能力なのだ。

 しかし容疑者は絶対音感に加えて、30分以上にわたる楽曲を、聞き直すことなく譜面に起こすことができるという。

 俺からすれば、化け物である。

 そして、被害者はそんな化け物が師とした人間だ。

 これも間違いなく、化け物である。

 化け物を超える化け物、キングオブ化け物である。

 これは推測だが、容疑者は被害者の能力を羨んでいたのだろう。

 容疑者は林檎を食べたことによって、被害者の能力を手に入れたいという潜在的な欲求を呼び起こしたのではなかろうか。

 我ながら馬鹿馬鹿しい推測だ。

 だが、奴らは化け物じみた感覚の持ち主同士。

 俺たち凡人には考えもつかない想念が渦巻いていても、おかしくはない。

 多くの天才と呼ばれた奴らが、そうであったように。

 だが、しかし。

 それは本当に、奴らだけのものなのだろうか?

 その時、同僚が席を立つのが見えた。

 俺が声をかける。

「何処へ?」

「買い出し。

 何かほしいものがあれば、買ってくるけど?」

「じゃあ、八百屋かスーパーに行って、林檎を1個、買ってきてくれ」

 わずかな、沈黙。

 同僚は俺を嫌そうな目で見て、言った。

「いいけど、俺がいないところで食え」
posted by FALSE at 23:57 | Comment(2) | TrackBack(0) | Web小説感想

2005年11月17日

諺好きな幻獣に祈りを

http://www.mess.jp/_mono/archives/2005/11/post_88.html

 まさか本当にトラバが来るとは思ってませんでした。



 なんて言ったらぶん殴られますか、私。

 ごめんなさい、わかりました。やります。

 感想。それはあることについて感じ想うこと。

 ここは私の最も得意とする方法で感想を述べさせていただきとうございます。



 サイキックネコジタという怪生物による被害が相次いでいるという。

> 被害者や目撃者の証言によると,奴は都会に住む人々の心の悩みを喰らい続け,以前にも増して巨大化かつ凶暴化,さらに日本の諺に精通しているらしい.

> 奴は都会に住む人々の心の悩みを喰らい続け

> 心の悩みを喰らい続け

 それは、その、もしかして。

 いい奴なんじゃないのか、サイキックネコジタ?

 あなたの心の悩みを、ぺろりと平らげてくれます、サイキックネコジタ。

 究極のペットセラピーです。一家に一枚いかがでしょう、サイキックネコジタ。



 いや、待て。それは孔明の罠だ。

 それではあまりにも虫が良すぎる。

 わかりました。

 我々はとんでもない思い違いをしていたんだ。

 「なんだってー」の合いの手をお願い申し上げます。

 彼は自ら暴れまわることで、人間たちの悩みの種となる。

 そして彼はその悩みを喰らって、さらに強くなる生き物だったんだ!

 なんて悪い奴だ、サイキックネコジタ!

 そいつは究極の自給自足だぜ、サイキックネコジタ!

 OK、何としても奴の息の根を止めなければなるまい。

 しかし今は時期が早すぎる。半年、夏まで待とう。

 広い敷地の中心で大きな火を炊く。場所を広場にするのは、周囲への延焼を防ぐためだ。

 あとは放置。奴が現れて、工房の筆にも謝らせようとしても、放っておけばいい。

 奴はやがて自ら火の中に飛び込み、灰となるだろう。

 飛んで火に入る夏の無視になるだろう。



 こんなところでよろしいでしょうか。
posted by FALSE at 22:43 | Comment(1) | TrackBack(0) | Web小説感想

2005年11月16日

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posted by FALSE at 22:55 | Comment(4) | TrackBack(2) | Web小説感想

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